妊活こそ睡眠が大事!眠れない時の対処法も解説
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妊活中、なかなか眠れない…そんな悩みを抱えていませんか?
実は、質の良い睡眠が妊娠に向けた体づくりに大きく関係しています。この記事では、睡眠不足が妊活に及ぼす影響と、快適な睡眠環境の整え方を解説します。さらに、寝つけない夜の対処法もご紹介。今日からできる簡単な工夫で、健やかな毎日を送りましょう。
妊活の成功には、十分な睡眠をとることがとても大切です。良い睡眠をとり、1日の生活リズムを整えることは、心身の健康を保ち、性ホルモンの分泌にも良い影響をもたらします。
睡眠不足が続いた場合、日中の疲れが回復せず、作業効率の低下につながります。また、生活習慣病やうつ病などのリスクを高めます。1)
妊活との関連では、女性では月経周期の乱れ、男性では精子の質の低下を引き起こす恐れがあります。これによって妊娠率や体外受精の成功率にも影響する可能性が示されています。2)
良い睡眠には、適切な量と質が必要です。しかし、単に長時間眠ればよいわけではありません。7時間前後の睡眠時間が、生活習慣病やうつ病のリスクを最も低く抑えることが知られています。
ただし年齢や日中の活動量などにより、必要な睡眠時間は個人差があります。6~8時間を目安に、日中の眠気がなく、睡眠で休養がとれている感覚が得られる時間を見つけることが大切です。
2019年の調査3)では、睡眠時間が6時間未満の人は男性で37.5%、女性で40.6%と、約4割を占める結果でした。睡眠時間が短い人は、まずは時間の確保から始めましょう。
質の良い睡眠のためにできること
環境を整える
まずは快適な睡眠環境を整えることが大切です。枕やマットレスは自分に合ったものを選びましょう。寝ている間も立ち姿勢に近い自然な姿勢を保てると、体の負担が少なく済みます。4)枕の高さやマットレスの硬さで調節しましょう。
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部屋の環境も重要です。音や光は睡眠の質を下げるため、静かな環境でできるだけ暗くして眠るのがおすすめです。外からの騒音や光の影響が気になる場合、カーテンを防音や遮光の機能があるものに取り換えるのも効果的です。
夕食は就寝3時間前までに
寝る前に食事をとると、胃腸が活発に動き始めるため、睡眠の妨げになります。5)さらに、1日のリズムを作っている体内時計のリズムが後ろにずれてしまいます。1)
これにより、翌朝の目覚めが悪くなり、睡眠の質の低下につながります。また、朝になってもお腹が空かずに朝食を抜いてしまった場合、さらに体内時計がずれてしまう可能性があります。
このような悪影響を避けるには、就寝3時間前を目安に食事を済ませるのがおすすめです。しかし、仕事などの都合で夕食が遅くなることもあるでしょう。その場合は、消化の良いものを選ぶことが大切です。
例えば、ご飯、具だくさんのみそ汁、納豆や豆腐などを選びましょう。繊維質の野菜や脂質の多い揚げ物は避けるとよいでしょう。5)また、夕方の仕事の合間におにぎりなどの主食をとり、帰宅後はおかずを軽く食べる「分食」もおすすめです。夜遅い食事による悪影響を少なく抑えるのに役立ちます。
入浴は就寝1~2時間前に
人は体温が下がると寝つきやすい状態になります。就寝前には手足の皮膚の血流が増加し、体温が手足から放熱されることで体温が下がります。この働きを促進するために、就寝1~2時間前の入浴が効果的です。入浴によって手足の血管が拡張するため、入浴後の熱放散に役立ちます。
さらに、少しぬるめのお湯にゆっくりつかることで、副交感神経が優位になりリラックス効果も期待できます。熱いお湯につかると、交感神経の活動が活発になりかえって寝つきにくくなる可能性もあるため注意しましょう。1)
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寝る前のストレッチ
軽いストレッチは心身をリラックスさせ、寝つきを促す働きがあります。日中に凝り固まった筋肉がほぐれて血行が促進されることや、副交感神経が活発になることなどが理由に挙げられます。6)
デスクワークでは動かしにくい肩回りや、血行を良くするポンプの働きがあるふくらはぎのストレッチがおすすめです。無理なく動かせる範囲で、心地よく感じられる程度に体を伸ばしてみましょう。
やらないで!睡眠を妨げるもの
寝る前のスマホやPC
スマートフォンやPCなどの液晶画面から出る「ブルーライト」は、他の光に比べて体内時計に強く影響します。
就寝の2時間前から睡眠を促すホルモンであるメラトニンが分泌されますが、その時間帯に強い光を浴びるとメラトニンの分泌が抑制され、寝つきを妨げます。また、就寝中に光を浴びると途中で目が覚めやすくなり、睡眠の効率を下げることが知られています。
画面からの光を極力浴びずに済むよう、入浴後はSNSや動画サイトの視聴を避ける、寝室には持ち込まずに他の部屋で充電するなど工夫してみましょう。
寝酒
寝つきをよくするためにお酒を飲む人もいるでしょう。確かにアルコールは一時的に寝つきを促進し、深い眠りをもたらします。しかし、睡眠の後半では睡眠の質が著しく悪化するため、結果としては逆効果です。
アルコールが体内で代謝されると、二日酔いの原因になる「アセトアルデヒド」が産生されます。これは血液中で交感神経を刺激する物質を増加させ、深い眠りを妨げます。その結果、途中で目が覚めやすくなるのです。1)
寝酒が習慣になると耐性ができてしまい、飲酒量を増やさないと眠れなくなる可能性があります。同様に、晩酌時の深酒や毎日の飲酒も悪影響を及ぼします。お酒に頼らず寝つけるよう、別の手段を探してみましょう。
靴下をはいて寝る
「足が冷えて眠れないから、靴下をはいて寝る」これも実は睡眠の質を低下させる可能性があります。入眠時には手足から熱を放散し、体温を下げることが重要ですが、靴下をはいているとこの過程を妨げてしまいます。加えて、靴下によって足が締め付けられると、かえって足が冷える恐れもあります。
代わりに、就寝前に入浴や湯たんぽ、電気あんかなどで足を温めておくことをおすすめします。それでも足の冷えが気になる場合は、ゆるめのレッグウォーマーを使用するとよいでしょう。これなら締め付けが少なく、熱の放散を妨げずに足を保温できます。
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寝だめ
平日の睡眠不足を休日に取り戻す「寝だめ」をする人も見受けられますが、実際には眠りを「ためる」ことは不可能です。寝だめをしても、平日の眠気は完全には解消できないことが知られています。さらに平日と休日で体内時計がずれ、体が時差ボケのような状態になるため、平日の朝が余計につらくなります。
さらに、このずれが頻繁に起こることで、生活習慣病や心臓病、うつ病などの発症リスクを高める可能性もあります。1)
休日の寝だめは長くても2時間以内に収めましょう。休日にまとめて寝るのではなく、平日に睡眠不足が確保できるよう、生活リズムを見直してみましょう。
眠れないときの対処法
「寝なきゃ」と焦らずゆっくり過ごす
寝る時刻や睡眠時間を気にすることは大切ですが、眠くないのに無理に眠ろうとするのは避けましょう。脳の興奮が高まり、かえって眠れなくなることがあります。5)眠れないことに焦り、眠ろうとますます努力することで、さらに寝つけなくなる悪循環にもなりかねません。
「眠れたらよい」という気持ちで、リラックスして眠気が来るのを待ちましょう。瞑想や腹式呼吸、ストレッチ、音楽やアロマなど、自分に合ったリラックス方法を取り入れるのがおすすめです。
眠くなるまで布団には入らない
眠くないのに布団に入り、読書やテレビ、スマートフォンなどで時間を過ごすのは逆効果です。脳が「布団=活動する場所」と認識してしまい、余計に眠りにくくなってしまいます。
布団を眠る場所として認識するためには、眠くなるまで布団に入らないようにしましょう。布団に入っても寝つけない場合、一旦布団を出て静かで暗めの場所でゆっくり過ごし、眠気が来てから布団に戻りましょう。
心配なことは紙に書きだす
寝る前には明日しなければならない仕事や悩み事について考えがちですが、緊張やストレスが高まると睡眠には悪影響です。反対に楽しいことを考えた場合でも、興奮してかえって目が覚めてしまいます。
とはいっても何も考えないことも難しいため、頭に浮かぶ考えごとは一旦紙に書き出すのがおすすめです。考えや気持ちが整理されれば、安心して眠りにつけるでしょう。日記をつける習慣もよいとされています。その日にあった良い出来事や感謝を思い出して書くのも、ポジティブな気持ちで眠るのに役立つでしょう。
それでも眠れなくて困ったら
眠れない・眠っても疲れが取れない・日中の眠気が続くなどの症状が続く場合は、睡眠障害が潜んでいるかもしれません。睡眠障害には不眠症や閉塞性睡眠時無呼吸、過眠症などさまざまなものがあります。
今回紹介した睡眠環境や生活習慣の改善を試しても、睡眠に関する症状が継続し日中の生活に影響を及ぼしている場合は、医師に相談してみましょう。睡眠の専門医に相談したい場合は、日本睡眠学会ホームページ「睡眠医療認定一覧」のリストを参考にするのがおすすめです。7)
まとめ
心身の健康を保ち妊娠しやすい体を作るためには、適切な睡眠を確保することが重要です。まずは6時間以上の睡眠を目指すのがおすすめです。また睡眠の質を上げるためには、睡眠環境と生活習慣の改善が大切です。
自分に合った寝具を選び、静かで暗い寝室環境を作りましょう。合わせて夕食や入浴の時間を調整し、リラックスして眠れる習慣を取り入れるのも効果的です。質の高い睡眠をとり、妊活に役立てましょう。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/suimin/index.html
2)Gabriela Caetano, et al. Impact of sleep on female and male reproductive functions: a systematic review. Fertil Steril. 115(3):715-731(2021)
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33054981/
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000687163.pdf
4)厚生労働省「e-ヘルスネット 快眠のためのテクニック -よく眠るために必要な寝具の条件と寝相・寝返りとの関係」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-01-003.html
5)林光緒、宮崎総一郎、松浦倫子「快適な眠りのための睡眠習慣セルフチェックノート」全日本病院出版会(2015)
6)北堂真子. 良質な睡眠のための環境づくり―就寝前のリラクゼーションと光の活用―. バイオメカニズム学会誌. 29(4), 194-198 (2005)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/sobim/29/4/29_4_194/_pdf
三樹彩夏
小児科・内科クリニックに勤務後、2020年にフリーランスに転身。「健康的な生活を当たり前にする」をモットーに、ダイエットサポートやライター業を通して食の大切さを伝えている。