布ナプキンの使い方、洗い方は?妊活中も使える?買う前に知っておきたい基本の基
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布ナプキンは肌触りがよく、繰り返し使えて環境にも優しいことから近年注目されています。興味はあるものの、実際の使い勝手やお手入れ方法が分からず使用をためらっている人もいるかもしれません。
布ナプキンにもさまざまな種類があり、特長が異なります。この記事では妊活中にも使える布ナプキンについて、種類や洗い方、メリットとデメリットを解説します。また、実際に使用しての感想を愛用者に聞いてみました。ぜひ参考にしてみてください。
布ナプキンの種類
布ナプキンには「一体型タイプ」「ホルダータイプ」「折りたたみタイプ」「使い捨てタイプ」の4種類があります。タイプによって使い勝手が異なるため、好みに合わせて選ぶのがおすすめです。ここでは、それぞれのタイプの特徴を紹介します。
一体型タイプ
防水シートと吸収体が一体化されたタイプです。羽付きの紙ナプキンと同じような形をしていて、羽についたスナップボタンなどでショーツに固定できます。ズレにくく、紙ナプキンと同じ感覚で使用できるため、初心者でも扱いやすいタイプです。薄型の商品は、生理日以外にもおりものシートとして使うこともできます。
一方、生地を何層にも重ねて作られているため、分厚くて洗濯した際に乾きにくいのが難点です。多い日用や夜用の商品では特に乾くのに時間がかかるため、枚数に余裕を持って揃えておく必要があるでしょう。
ホルダータイプ
ショーツに装着するためのホルダーと、経血を吸収する吸収体が分かれているタイプです。
汚れたら吸収体だけを交換するため、外出先でも荷物がコンパクトに済みます。吸収体は薄い商品が多く、洗濯した後乾きやすいのも特徴です。また経血の量が多い日は、吸収体を2枚重ねて吸収力を上げることもできます。
ただしホルダータイプでは股の部分に厚みが出るため、かさばる・ごわつくと感じやすいのが難点です。
折りたたみタイプ
ハンカチ状の四角形の布ナプキンで、3つ折りにしてショーツと肌の間に挟んで使うタイプです。
折り方によって、厚くして吸収力を高める、長くしてお尻をカバーするなど、さまざまな場面に合わせた使い方ができます。汚れたら折り直して肌に触れる面を変えることで、1枚で2~3回使えるのも大きなポイントです。替えのナプキンをたくさん持ち歩きたくない人におすすめです。
一方、留め具がなくズレやすいというデメリットもあります。心配な場合はホルダーと一緒に使うと良いでしょう。
使い捨てタイプ
布ナプキンが気になるけど不安がある、試しに使ってみたい人には、使い捨てタイプの布ナプキンがおすすめです。ショーツに貼り付けてズレを防げるシール付きの商品もあり、紙ナプキンと同様に使用できます。気軽に布ナプキンにチャレンジできますが、金額面では高くつくため、使ってみて気に入った場合は繰り返し使えるタイプを購入すると良いでしょう。
また、旅行中など洗濯が難しいときにも活用できます。
意外と簡単!布ナプキンの洗い方
布ナプキンと聞いて、洗うのが大変そう、汚れが落ちないのでは?と思う人もいるかもしれません。しかし、実はコツをつかめば意外と簡単に洗うことができます。
布ナプキンの汚れを落とす洗い方は、
- 予洗い
- 漬け置き
- すすぎ
の3ステップです。汚れがついた布ナプキンを水やぬるま湯で軽くもみ、経血を押し出した後、水を張ったバケツや洗面器に布ナプキンを漬け置きします。数時間から1日置いた後、汚れを押し出すようにすすぎます。
布ナプキンを洗うときは、40℃以上の熱いお湯で洗わないようにしましょう。温度が高いと経血に含まれるタンパク質が固まり、汚れが落ちにくくなります。水または体温程度のぬるま湯を使うのがおすすめです。
汚れが落ちにくい場合は、漬け置きする際にアルカリ性の洗剤や重曹を入れるのもおすすめです。
布ナプキンのメリットとデメリット
布ナプキンのメリット
布ナプキンのメリットは大きく3つあります。ここではそれぞれのメリットについて解説します。
肌触りが柔らかい
布ナプキンのほとんどがコットン(綿素材)でできていて、柔らかい肌触りが特徴です。
同じコットンでも織り方によって肌触りは異なります。主なコットンの織り方を紹介しますので、自分の好みに合ったものを選んでみましょう。
☆主なコットンの生地
- ネル生地:目が詰まっていて厚く、ふんわりした肌触り
- ワッフル生地:マス目状の凹凸があり、さらっとした肌触り
- ニット生地:柔らかくさらさらした、下着と同様の肌触り
- ガーゼ生地:軽く柔らかい肌触り
- パイル生地:タオルのような肌触り
蒸れによる臭いやかぶれを軽減できる
ナプキンが蒸れると雑菌が繁殖し、生理独特の臭いの原因になります。また、蒸れた状態が続くことでかぶれやかゆみを引き起こしやすくなります。
布ナプキンに使われているコットンは通気性に優れた素材で蒸れにくいため、臭いやかぶれを抑えることができます。
ただし、生地の種類によっても通気性は異なります。ネル生地は厚く目が詰まっていることから、他の生地に比べると通気性が劣ります。また、それ以外のコットン生地であっても、全く蒸れないわけではありません。衛生面を考えると、紙ナプキンと同様の頻度で取り換えると良いでしょう。
経済的で環境にも優しい
布ナプキンの1枚当たりの価格は、紙ナプキンより高価です。しかし繰り返し使えるため、長く使用すれば紙ナプキンを買い続けるよりコストを低く抑えられます。さらにゴミも減らせることから、環境に優しい商品といえるでしょう。
布ナプキンのデメリット
メリットが多い布ナプキンですが、紙ナプキンに比べると持ち運びや洗濯の手間がかかるのがデメリットです。
持ち運びの手間がかかる
布ナプキンは紙ナプキンに比べて分厚いものが多く、持ち運ぶ際にバッグの中で場所をとってしまいます。また使い捨てタイプのものでない限り、使用したナプキンも家に持って帰らなければなりません。チャック付きのポリ袋など密閉できるものに入れ、臭いが漏れないようにする必要があります。
洗う手間がかかる
布ナプキンは繰り返し使うという性質上、洗う手間がかかります。
ただし先ほどご紹介した方法に沿って洗えば、意外と簡単に汚れを落とせます。また洗うのがどうしても面倒なときは、使い捨てタイプの布ナプキンを活用するのも一手です。
気になるあれこれ、愛用者に聞いてみました
「実際の使い心地はどうなの?」「経血が漏れることはない?」不安に思う方もいらっしゃるかもしれません。そこで今回は、布ナプキンの気になるポイントを愛用者にインタビューしてみました。
ずばり、「使い心地はどうですか?」
肌触りが良くて、とても快適に使えています。また、生理中のかぶれやかゆみに悩んでいたのですが、布ナプキンを使うようになってからはかぶれることが減りました。生理痛も以前より軽くなったと感じます!
布ナプキンの使い心地が本当に気に入って、今では生理でない時期もおりものシート代わりに使っています。布ナプキンを生理の時にいきなり使い始めるのが不安な場合は、まずはおりものシートとして使うのも良いと思います。
「経血が漏れることはないの?」
ズレないようにしっかり固定して、体にフィットした状態を保てれば、基本的に漏れることはありません。とはいえ、吸収できる容量を超えると漏れてしまうのは紙ナプキンと同じです。漏れないようにこまめにトイレに行くか、多い日用の商品を使うと良いと思います。
私の場合、長時間の外出時はノンケミカルの紙ナプキンを使っています。状況に合わせて、布ナプキンと紙ナプキンを使い分けるのもおすすめですよ。
「1日何回変えるの?何枚買っておけばいい?」
交換頻度は紙ナプキンと変わりません。2~3時間に1回交換するので、1日に昼用を5~7枚、夜用を1枚使います。洗濯して乾かす時間も必要なので、2日分は用意しておくと安心です。
折りたたみタイプなら1枚で2~3回使えるので、枚数はさらに少なくて済みますし、持ち運ぶ枚数も減らせます。
「布ナプキンの汚れは落ちますか?」
初めは汚れが落ちなくなるのでは?と不安でしたが、意外ときれいに落ちます!ただし、汚れが乾燥してしまうとなかなか落ちなくなりますね。
使用後の布ナプキンはチャック付きのポリ袋に入れて、空気を抜いてからチャックを閉め、できるだけ乾燥しないようにしています。家に帰ったらなるべく早く漬け置きすると良いですね。また、布ナプキン専用のアルカリ性洗剤を使うとより落ちやすくなりますよ。
生理痛や妊活への効果は?
先ほどのインタビューには、布ナプキンを使って生理痛が軽くなったという感想がありました。ネット上の情報にも、生理痛の改善や妊活への効果を謳ったものがあります。しかしこれらの作用は科学的に証明されておらず、生理痛などの婦人科系の病気に対する布ナプキンの効果は定かではありません。
ネット上の情報には「紙ナプキンでは子宮を冷やすが、布ナプキンなら子宮を温められる」としているものもあります。しかし、子宮は骨盤の内側にあり、近くには非常に太い血管が通っていることから、手足のように簡単には冷えない臓器です。ナプキンの素材で子宮の温度が変わることは考えにくいといえます。
そんな中、布ナプキンを使うことで生理期の不快な気分や症状が改善されたとする研究論文1)もあります。
この研究では、布ナプキンを使ったことがない女子大学生32名に6ヶ月間布ナプキンを使用してもらいました。使用開始6ヶ月後のアンケート結果では、生理痛やむくみ、自律神経の乱れなどを感じる点数が低くなりました。
また、生理に対して「厄介」と感じる点数が下がり、「自然」と感じる点数が上がっていました。自由回答では、生理前後の体の変化に意識が向いた、食事や水分をしっかりとるようになったという記述もみられました。
この結果から、布ナプキンの使用によって、生理を厄介なものから自然でポジティブなものと捉えられるようになったといえます。この心理的な変化が体にも影響しているのではないかと、この論文では考えられています。
しかし、この実験では対象者の年齢や人数が限定されているため、この結果が誰にでも当てはまるかは不明です。また、布ナプキンが体に影響するメカニズムは、この結果だけでははっきりしたことはいえません。
婦人科系の病気や妊活に対する布ナプキンの影響や、詳細なメカニズムについては、今後の研究が待たれます。
自分に合ったナプキンで生理を快適に過ごそう!
布ナプキンは肌触りが良く、蒸れやかゆみの軽減に役立ちます。使用後の持ち運びや洗濯が不便というイメージもあるかもしれませんが、ポリ袋に入れて密閉し、手順に従って洗えば問題ありません。布ナプキンにはさまざまなタイプや生地の商品があるため、自分の好みに合ったものを選ぶのがおすすめです。
婦人科系の病気に対する効果はまだはっきりしていませんが、生理や妊活を楽しくポジティブに過ごすためのひとつの方法として、布ナプキンを取り入れてみるのもよいでしょう。
参考文献
1)甲斐村美智子,久佐賀眞理「月経用布ナプキンの使用が女子学生の不定愁訴に及ぼす影響」日本女性心身医学会雑誌,13(3):143-152(2008)
三樹彩夏
小児科・内科クリニックに勤務後、2020年にフリーランスに転身。「健康的な生活を当たり前にする」をモットーに、ダイエットサポートやライター業を通して食の大切さを伝えている。