大阪
住吉神社という神社名の社は全国的に広く分布しており、約2000以上の社があると言われている、また、住吉という地名は各地にあり、東急東横線には元住吉という駅も存在している。
これらの住吉神社の本源は、大阪市住吉区住吉に鎮座する住吉大社である。住吉大社は全国各地に勧請されているが、旧社格の官幣・国幣の神社だけでも次の三社がある。
境内末社の侍者社は古来縁結びの神としての信仰が強く、現在でも良縁を求める人々の絵馬がたくさん奉納されている。また、同じ境内の末社に種貸社がある。毎月初めの辰の日には多くの参詣人があり、祈祷の人には「御種銭(おたねせん)」というものを頒っている。
岐阜
子安神は、夫人が子供を授かりたい、また、お産が安全に終わることを祈る神である。さらに、子育ての無事も祈願する。「子安」とは、子供を楽に産むことをいう。
子安様を信じる人々は、毎月19日に集まって、子安講(こやすこう)を組んでいた。今だにこの風習が残っているところも多くある。毎月19日に集まることから、19夜講という地方もある。これは、主として関東地方にみられる。
[子安神をまつる神社]
静岡
石の中にさらに小さな石を持っているものをはらみ石と称して、信仰の対象になっているものがある。21世紀に入ってからの夫婦は生活スタイルの多様化により、すぐに子供が欲しいというのが一般的ではなくなってきた。以前は「3年子なくば去る」という諺があったくらい、子のできなかった妻は自ら夫の元を去る場合もあった。
女性は産まれながら母親となる喜びを持ち、結婚をすれば愛する夫の子供を欲するというのは、昔も今も自然の道理ではないのか。
孕石天神社というのが静岡県の掛川市にある。子のない婦人や、安産や子育ての無事を願う人々に信仰されている。大岩の上に社殿が建っているが、この岩を土地の人々ははらみ石と呼ぶ。紫色の小さな丸石の凝集されたものである。揺すると小石がとれる場合があり、この紫色の小石を持ち帰って祈願すれば、妊娠または安産をすると言われている。
小石のご利益で妊娠したり、安産だったりしたときは、他の小石を添えて石返しのお礼まいりをするのがしきたりである。
2月25日と9月25日の両日は午前9時から午後2時まで春秋例祭が行われる。
奈良
一言主神(ひとことぬしのかみ)は葛城山の神である。一言主神とも、葛城神とも、葛城一言主神などとも称され、里の人は「一言さん」と呼び、一言の願いであれば何でもお聞き届けて下さる神様として古くから信仰されてきた。「無言まいり」とも言われている。
[一言主神をまつる神社]
千葉
子宝石(子産石)と称する玉石が大小約90個保管されており、子宝に恵まれない女性がこの石を抱き祈念すると、子宝が授かるという信仰が古くからあります。 昭和60年NHK朝の連続テレビ小説「澪つくし」で、沢口靖子が子宝石を抱くシーンがで有名になり、子授けの名所となったそうです。普段は無人の神社で、毎年2月25日と11月25日の例祭の日しか子宝石は抱けません。 例祭は午前11時から行われ午前中に終わってしまいます。
菅原大神がある同じ土地(千葉県銚子市桜井)には、御産宮(ごさんのみや)というお宮がありました。授子安産、家内安全などに信仰の厚い玉依姫命(たまよりひめのみこと)が子宝石と共に祀られていました。子宝石が祀られていた社殿が損壊したため、同じ土地にあった菅原大神に移されたと言われております。
[子宝石がある神社]
愛知
男根のことを、大魔羅様とか金精様などと呼んで祀っている神社が多く、これらは生産に結び付く性器崇拝の深奥によるものであろう。金精神は男根に似た自然石・木々。金製の陽物ご神体として祀った紙で、全国各地に分布している。
金精神は男性性器崇拝の信仰をもち、男女の縁結び、出産、性病の祈願に効果があるとされ、祈願者は金・石・木でつくられた男性器と同じ形の品を作って納めることになっている。
金精は男根の勃起した姿であり、金は金色のように輝く立派なものとの意味をもち、精は精力絶倫を表している。金精神の本源の神社は岩手県岩手郡山村巻堀に鎮座する巻堀神社と言われているが定かではない。
性器をご神体とする神社は多数ある。有名な愛知県小牧市の田県(たがた)神社、その近くにある犬山市の大県(おおがた)神社をはじめ、各地の金山神社などである。“かねやま”が“かなまら”に音が近いせいか、男根を祀っていることが多いようである。
[金精神をまつる神社]
東京
この神様は元は鬼神の妻で、500人の子の母でありながら、常に他人の子を捕えて食べてしまうため食人鬼であったが、釈迦の導きで子供を守る善神となり、人々に親しまれるようになったのである。子宝の神様は数多く存在するが、その中でも一番広く信仰されているのがこの鬼子母神である。盗難除けの守護とも言われる。その像は天女のような姿をし、子供を1人抱き、右手にはザクロを持っている。
[鬼子母神をまつる神社]