木村さんとは
子宝の神様 木村さんの由来
2000年頃のことです。木村さんという方が中国の深センに住んでいたとき、とある村の民芸店に飾られていた泥人形に一目ぼれして日本に持ち帰ったのが始まりです。
中国のお土産として友人のSさんにこの人形をプレゼントしたところ、なんとSさんがオメデタ。さらにSさんが不妊で悩んでいる友人夫婦にこの人形を見せたところ、なんと8組中7組が半年以内に妊娠したそうです。人工妊娠手術でもできなかった人にもご利益があったというから驚きです。ちなみにこの人形のことをSさんが「木村さんからもらったやつ」と呼んでいるうちに、口コミでいつのまにか「木村さん」と言われるようになったそうです。
この噂を聞いた木村さんもSさん宅でこの人形にお祈りしたところ、なんと奥さんも妊娠したそうです。「これは子宝に恵まれる不思議なパワーがあるかもしれない」ということで木村さんが自身のホームページに掲載したところ、全国各地からオメデタ報告が多数寄せられるようになりました。
今ではインターネットを通じて口コミが口コミを呼び、子宝を望む女性の間では都市伝説として広まっています。この人形をケータイの待ち受けにしたり、パソコンの壁紙にしたり、プリントアウトして飾ったりした結果、実際に妊娠したという報告を数多く聞きますので、不妊でお困りのあなた。ワラにもすがる思いで一度試してみてはいかがでしょうか。
子宝の神様木村さんと布袋さん
子宝の神様木村さんと七福神の布袋さんってなんとなく似ていると思いませんか。
布袋さんは七福神の中で唯一実在している人物で、中国の唐末期(九~十世紀)に明州(現在の中国浙江省寧波市)にいた禅僧契此(?~917)がモデルになっています。この僧は、大きくふくれたお腹で、いつも手に杖を持ち、大きな布袋を背負い、施しを求めて市中を歩いていました。そして、お布施を受けた物は何でも袋の中に入れて歩いたといいます。この布の袋から布袋という名前がついたといわれています。
小柄で太鼓腹、予知能力があって彼の占いは必ず当たったことから、弥勒菩薩の化身として伝説の人になったそうです。その布袋和尚の人徳から、福運、大量のご利益があるといわれています。日本で七福神という考え方ができるのは室町時代といわれています。その頃から、福々しい容姿の布袋さんは水墨画の画題として好まれ、さまざまなテーマで描かれましたが、興味深いのは、唐子(中国風の髪形や服装をした子供)と布袋さんを取り合わせた絵で、数人の唐子が布袋さんの大きなおなかに乗ったりして戯れているものです。この布袋図は、室町時代から江戸時代を通じて数多く描かれていますが、それがなんと、安産の祈願やお守りに使われたそうです。おそらく、布袋さんの大きなおなかと唐子という図が、妊婦と子供にたとえられたのでしょう。
布袋さんも子宝の神様木村さんもルーツを辿ると同じなのかもしれません。
香港の子宝の神様
香港島の南海岸にはレパルス・ベイ【天后廟/ティンハウミュウ】というリゾート地があります。
ビーチに沿って、シービュープロムナードという遊歩道を歩いていくとカラフルで中国らしい像をたくさん見ることができます。海と漁師の守り神、天后を祀っている像、なでると金運がつく像などがあり、その中に子宝に恵まれる像もあります。この像が子宝の神様木村さんとどことなく似ているのです。深センにあったという子宝人形はこの神様と関係があるのかもしれません。
みなさんも香港に行った際にはぜひレパルス・ベイに訪れてみてください。